にっぽん津々浦々 本店

2011年3月11日の東日本大震災により、200年余続く醤油蔵「八木澤商店」のある岩手県陸前高田市内は壊滅的な被害を受けました。150年使い込まれた気仙杉の木桶で仕込む醤油、そして醤油造りに欠かせないもろみも工場の外壁だけを残し流失してしまいました。

しかし、ある日研究所から、震災前に微生物の研究のために預けておいたもろみが「残っていた。」との連絡があり、瓦礫を掻き分け、奇跡的に被害を受けていなかったロッカーの上からついにもろみを発見したのです。見つかった「もろみ」は当時4kgです。そこから少しずつ増やして厳しい東北の夏を二度経過させて震災から3年8ヵ月にしてようやく『奇跡の醤』の最初の一滴がしぼられました。

「老舗の味の復活」に際し、陶器のようなぎょく瓶を採用しています。2015年度にはグッドデザイン賞も受賞しています。
もろみを醗酵、熟成させる期間一切自動で加温させず、自然の機構の気温のみで醗酵させる昔ながらの天然醸造方式を採用しており、以前の八木澤商店の看板商品だった醤油と同じように、まろやかで口あたりの良い醤油本来のふくよかな味と香りを持つ醤油となっています。また、添加物も入っておりません。素材にこだわる方はぜひともこの『奇跡の醤』をお試しください。

写真は現在の八木澤商店の本社兼店舗（陸前高田市）です。新しい工場、店舗と八木澤商店の奇跡は今も続いています。八木澤商店の復活はいくつもの偶然と人と人とのご縁が重なり、それらが揃わなければ達成できなかった奇跡でした。その想いを込めてこの醤油には『奇跡の醤（ひしお）』と名付けました。